ママ友いじめから知った人生で大切なこと
私の体験が少しの希望になることを願って
小学1年

45.運動会で感じた不穏な空気。まさかその悪口信じてるの?

 

それぞれのペースで、徐々に小学校に慣れていった子ども達。

学校に入って初めての大きな行事は「運動会」だった。

 

幼稚園では秋だったけど、この地域の小学校では5月末に運動会が行われる。

 

運動会といえばダンスしか見せ場がなかったひらりさん。

小学校なので、さすがに種目のなかにダンスはない。

 

玉入れとか徒競走とかあるけど。

小学生になって少しは成長したのだろうか?(笑)

 

競技が始まったので、カメラに我が子の雄姿を収めるためゴール地点へ移動する。

幼稚園の頃は体育館だったけど、こんどは広いグラウンド。

移動しながらじゃないとカメラに姿を収めることすら難しい。

 

しかも、よく探さないとひらりが見つからないくらい人が多かった。

 

最初の競技は「徒競走」。

自分が走るわけじゃないのに緊張しちゃう。

 

今年はそれなりに自信があると言っていたので期待していたら・・・。

なんと途中で靴が脱げてしまい、安定の最下位(笑)

 

障害物競争は、途中でじゃんけんをしたり、くじを引いたりして進むものだった。

ひらりは運が良かったようで、そちらはぶっちぎりで一位だった。

 

天気が良すぎてだいぶバテてるようだけど、元気な姿がみられてよかった。

 

ただ。

少し気になることがあった。

それは子ども達のことではなく、ママさん達の様子だ。

 

ママ集団に睨まれる

私はゴール付近で撮影しようと、夫と二人でビデオカメラ片手に校舎前を移動していた。

 

直射日光が痛いくらいなので木陰にいたんだけど、そろそろひらりの出番だから余裕をもって動こう。

そう思って早めに移動をしはじめたのだ。

 

紫外線カットの帽子をしっかりかぶって。

この暑いなか、走るのも嫌なのでゆっくり歩いていたら。

ちょうど児童玄関前のあたりで、私は視線を感じた。

指を指されていた

ふと視線を感じた方をみる。

すると数人のママが円になっていて、そのうち一人がこちらを指差していた。

 

(えっ?なに??)

そう思って指差しをしている人をよく見たら、それはなんと三津屋さんだった。

 

片手は口の横に添えられ、ひそひそ話をするときの手。

もう片方の手はこちらを指している。

 

三津屋さんと頭を寄せ合うようにして、密になるママ達。

 

三津屋さんが指をさしてるけど、必ずしも私を指しているとは限らない。

そう思って周りを確認してみた。

 

人が多すぎて誰を指さしているのかよくわからない。

だから私を指さしているとは限らないよね。

 

三津屋さんとは仲良くないけど、何でも自分に向けられたものだと受け取るのは良くない。

そう思って気にしないことにした。

 

気にしないことに。

したかったんだけど。

 

三津屋さんと一緒にいたママさんが一斉にこちらを向き、「ギッ!」と物凄い形相で睨んできた。

全員が明らかに私を見ている。

 

え??わたし?

あまりのことにぎょっとしてしまった。

 

そしてその次の瞬間。

三津屋さんがママ達をあわてて制止する。

 

あんまりみないで、バレるからとでも言ったのだろうか。

ママさん達はくるっと三津屋さんの方に向き直り、何やらまた話しはじめた。

 

頭を寄せ合って、こちらをチラチラ見ながら。

三津屋さんはもう指をさしてはいなかった。

 

だけど。

また何か言われてるのかもしれない、そう思うには十分すぎる出来事だった。

顔も見たことない人たち

この出来事はほんの数秒、10秒にも満たない短い間のことだ。

だけど衝撃的過ぎて、私の脳裏に焼き付いてしまった。

 

なぜなら。

三津屋さんと一緒にいたママさん達、誰一人として知らないから。

 

三津屋さん以外の人は見たことない。

そんな間柄の人に、私は「ギッ!」と音がするほど強く睨まれた。

 

激しく憎悪の籠った視線。

なぜあなた方に睨まれなきゃいけないのか。

わたしにはさっぱり理解できない。

 

だって初対面ですよ。

初対面だから三津屋さんは私を指さしてたんだろうし。

 

何を言われてたのかはわからない。

だけど、あれだけ睨まれたら良くない話題だったのはわかる。

 

秘密というスパイスで悪口を言えば。

仲間としての連帯感や結束力が高まるのだろう。

 

だけどさ。

自分で確かめもしないで悪意を持つってどうなの?

もしかして、三津屋さんの悪口を鵜呑みにしちゃってるの?

 

ご近所ママで固まる

私の運動会のイメージでいけば、お昼ご飯はお重のような大きなお弁当で、家族みんなで食べるものだった。

だけど、昨今の小学校は違うのね。

 

子ども達は教室に戻ってお弁当を食べる。

大人はご自由にお過ごしください、という感じ。

 

なので席取りらしい事もせず、日陰で休憩しながら運動会を見ていた。

子ども達もお弁当を食べに教室に行ったので、私達夫婦もお昼にしようとなった。

 

家まで戻るのは大変だし時間が足りないので、小学校近くの飲食店のテイクアウトを注文しておいた。

それを近くの公園か学校の日陰で食べようと思う。

 

そう思ってお店にテイクアウトを取りに行くと、聞き覚えのある声が聞こえた。

・・・三津屋さんだ。

甲高い笑い声

「えー、やだぁー!本当にー?三美香ちゃんのほうがすごいって!」

「いや、うちはそんなことないよ。桃亜ちゃん大活躍だったじゃん!」

とかなんとか。

 

飲食店のウェイティングスペース。

そこではママさん同士の褒めあいが行われていた。

 

先程と違って、今度は三津屋さんと一緒にいるメンバーが誰だかわかる。

 

時任さん、五之治さん、数藤さん、澤さん、三津屋さんの5家族。

そのうち何人かは未就学児と思われる下の子を連れていた。

 

澤さんは確か同じ住宅街に住んでいたはず。

以前近くの公園でばったり会って、子どもを遊ばせながら互いに自己紹介をした。

 

三津屋さんと一緒にいるママさんは、全員同学年の女子のママさんで、家が近いもの同士だった。

皆さんはご近所同士で固まって、一緒にお昼ご飯を食べる予定のようだ。

 

三津屋さんの集団は、やけに親しそうにボディータッチをしたり、大げさに笑ったりしながら盛り上がっている。

 

家が近くないので戻れないし、かといって時間に余裕があるわけでもない。

だから同じ行動になってしまったんだろうと思うけど。

 

(ぬぉぉぉ。こんなところで出会ってしまうなんて。)

さっき指をさされていた後だけに、あんまり良い気がしない。

できれば三津屋さんには会いたくなかった。

 

テイクアウトを受け取りに行く際、三津屋さんとすれ違わざるを得ない。

意を決してレジへ向かう。

 

三津屋さんと目があったので「こんにちは」と笑顔でご挨拶しておく。

すると。

 

「あぁ、どうも・・・。」

という返事と共に面倒くさそうな嫌そうな不貞腐れたような顔をされた。

 

周りのママさんも知ってる方たちなので、ご挨拶しようと思ってたけど。

時任さんと五之治さんは私と目が合わないように、顔を逸らしていた。

数藤さんと澤さんはにっこりしていたので、私も微笑みを返した。

 

支払いを済ませてテイクアウトを持ち店の扉を開ける。

夫と2人で学校方向へ戻ろうとすると。

 

三津屋さんのワントーン上がった甲高い笑い声が聞こえてきた。

 

ねぇ分かってる?

この人たちは「私の」友達なのよ。

ほら、こんなに仲良しなの。

 

背中越しに聞こえる甲高い笑い声は。

勝ち誇ったように聞こえて、あたかもそう主張しているように感じられた。

 

悪口を言う人が好きなの?

さっき三津屋さんに挨拶した時。

時任さんと五之治さんに目を逸らされたな。

あれはやっぱり、三津屋さんから色々吹き込まれてその気になっちゃってるって事なんだろうか?

 

時任さんと五之治さんの様子もおかしかったし、グラウンドで遭遇した児童玄関前の見知らぬママ集団も変だった。

 

みんな三津屋さんの話を信じちゃってるの?

みんな三津屋さんの言う事に疑問を持たないの?

 

じわじわと感じる不穏な空気。

三津屋さんと一緒にいたメンバーが、全員ご近所の同学年女子ママだったのも気になる。

 

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三津屋さんがたくさんのママ友に囲まれて楽しく過ごすのは構わない。

どうぞそうしてくださいとすら思う。

 

だけど。

だけど、大丈夫だよね?

さすがに子どもを巻き込んだりはしないよね?

そんなママさんばっかりじゃないよね?

悪意に染まる前に

私は三津屋さんに無視されるようになって、その上ひらりも無視されて足蹴にされて。

だからお付き合いを辞めて、ただのご近所さんに戻ることにした。

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私の中で三津屋さんは。

こんな言い方したら失礼だけど、「危ない人」という認識だ。

 

それは私にした行いだけで言ってるのではなく、私以外の人にも色々やっちゃってるのを見ているから。

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私も最初は三津屋さんと仲が良かった。

三津屋さんの事を好きだったし、ずっと友人でいたいと思っていた。

 

秘密を共有したし、お互いの気持ちに共感しあっていた。

 

だけどそれはやっぱり、長続きしなかった。

秘密とは言いながらも中身は悪口だったし、お互い別の人間だから共感し続けるのは無理がある。

 

私達は互いの幸せを思いあっているわけじゃなかった。

お互いの幸せを願う関係だったら、きっとこんなふうに壊れてはいなかっただろう。

 

三津屋さんは何を求めているんだろう?

たくさんのママ友を従えて、今度はちゃんと満たされてくれれば良いなと思う。

 

ただ気になるのは。

三津屋さんが悪口を言ってること。

それを聞いたであろう人から憎悪の目を向けられたこと。

 

私はこれまで、三津屋さんの口車に乗った人たちから無視されてきた。

堀内さんも、息子の海里くんにも、三津屋さんちの桃亜ちゃんにも。

 

三津屋さんは人の心に悪意を植え付けるのが本当に上手い。

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「相談なんだけど」「悩んでるんだけど」を文頭に付ければ。

あら不思議、悪口が悪口に聞こえない。

むしろ助けてあげたいと思うし、親身な気持ちさえ沸き上がる。

 

そして、悪口の対象者に嫌悪感や憎悪を抱いてしまう。

共感性を高めるのが上手い三津屋さんなので、みんな三津屋さんの気持ちに同調するのだろう。

 

私も経験したことだから、きっとそうだろうと思う。

 

だけど、私達は大人。

たとえそうであっても、自分の心に沸いた悪意に「待った」をかけて欲しい。

 

だってそれは人の目を通した話でしょう?

あなたが体験したこと、あなたが直接みたことではないじゃない?

 

三津屋さんの悪意に共感して一緒に染まる前に。

自分で判断しようと、自分で考えようと、そう思ってくれる人はいるだろうか。

それでも私は言わない

いっそのこと私も三津屋さんの本性をしゃべっちゃおうかな、と考えてみる。

堀内さんにした仕打ち。

お姑さんとの関係。

新メンバーママさん(磯部さん)にしたこと。

近所では虐待してるんじゃないかと思われてること。

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お隣に住んでるから、三津屋さんのいろんなことを知ってる。

言おうと思えばいくらでも言えるし、その気になれば三津屋さんの評判を落とすことも可能だろう。

 

だけどね。

やっぱり私はそんなことしたくない。

 

同じレベルになって行動したって、解決するとは思えないから。

良い方向に向かうとは思えないから。

 

それにやっぱり三津屋さんの本性を喋ることって。

悪い部分を宣伝する行為で、どう取り繕たって悪口な訳だし。

 

悪口が周りに良い影響を及ぼさない事を、私は知っている。

 

三津屋さんの行動がおかしい。

周りのママさんの様子が不穏だった。

 

どうやったらそれを止められるか分からない。

何を言われてるかもわからないから、反論もできない。

 

もしかして。

 

悪口を言わない人より、悪口を言う人のほうが信用されるのかな?

そんなことないよね?

 

三津屋さんにそそのかされるママばっかりじゃないよね。

私はそれを信じたい。

 

三津屋さんが何を言ってても。

それでも私は悪口を言わない。

そう固く心に決めていた。