妊娠した頃からのご縁で、私はこれまでずっと三津屋さんとお付き合いをしてきた。
この住宅街で一番仲が良かったのは、お隣の三津屋さんだった。
だから、全然気が付かなかった。
三津屋さんが周囲からどう思われているか。
三津屋さんと関わらなくなって、お付き合いの外側に立ったからこそ見えたもの。
「虐待してるのでは?」と聞かれたのは2件。
19時まで騒いでいるのが気になるのか、そっと窓を閉めるお宅が2件。
そこから感じるのは、三津屋さんは「良く思われていない」という事実。
そして、私と三津屋さんの関係が切れたと知っている。
おそらく仲間から外されて無視されているのも知っているのだろう。
ご近所のなかでも、泣き声が聞こえている範囲、19時までの騒ぎが聞こえる範囲なんだろうけど、みんなよく見てるんだなぁと思った。
この住宅街に住んでいくのなら、大人としてふさわしい態度で生活する。
そういう気持ちが必要だと思った。
ご近所付き合いを続ける努力
三津屋さんと堀内さんに無視されるようになってから。
それでも私は、自分の感情に流されないよう努力し、せめてご近所付き合いだけでも継続しよう、そう考え行動していた。
無視・悪口・仲間外れになって、私が落ち込んでふさぎ込んでどよーんとするのも、ひどいと腹を立てて睨みつけやり返そうとしたり、そういうのって違うと思った。
もう大人だもの。
子どもの親だもの。
この住宅街に長く住むと考えたら。
ご近所なんだから、長い年月のどこかでお世話になるかもしれないし、お互い助け合わなきゃいけない日がくるかもしれない。
長い目でみたら、私から関係を切ってはいけないと思った。
なんとか「ご近所さんとして」繋いでいく努力をしよう。
悔しくても、腹が立っても、すごく悲しくても、大人としての対応をとらなければ。
ご近所さんとしての礼儀
まずは、礼儀だと思って挨拶はできるだけする。
(もちろん無視されるんだけどね。)
あとは、お土産や誕生日プレゼントをもらっていたので、その辺のお返しはちゃんとする。
(細々とでも、お付き合いできるところはしよう。)
そしてやっぱり、三津屋さんと堀内さんの悪口は言わない。
(これは大人として&ご近所としてのマナーだと思う。本当は言いたいけど!!)
我が家に自家用車がやってきてすぐの頃、三津屋さんと堀内さんに、道の駅でお土産を買った。
以前お土産をもらっていたので、そのお返しとして。
それぞれのお宅へ届けにいった。
対応は冷たいけど、すんなり受け取ってくれる。
2人でつるまなければ弱気になるのか、それとも物をもらうのはウェルカムなのか、想像していたより態度は悪くなかった。
こうやって少しづつでも、ご近所さんとして関係をつないでいければいいかな。
お互い大人なんだもの。
きっと悪いようにはならないよね?
お付き合いをやめるチャンス
前回お土産のお返しを渡してから3週間ほど経った頃。
あまり分かりやすく距離をおくと、露骨に三津屋さんと堀内さんを避けてると思われて、良くないかもと思った。
なのでもう一度、ごく簡単な差し入れを届けた。
以前よくやっていた、手作りお菓子のおすそ分けだ。
これも、冷たくではあったが受け取ってくれた。
誕生日プレゼントのお返し
そういえばもうすぐ「斗輝くん」の誕生日だな。
斗輝くんは1歳になる。
もうしばらく暑い日が続きそうなこと、来年も着られるようにサイズが大きくても気にならないもの、そう考えて「Tシャツ」をプレゼントすることにした。
三津屋さんからひらりの誕生日プレゼントを頂いていたので、そのお返しとして。
Tシャツくらいなら、いくらあっても困らないし、かえって気を遣わせるような品でもない。
そう思って準備した。
誕生日当日。
プレゼントを持って、ひらりと一緒に三津屋家のチャイムを鳴らすと。
珍しいことに、パパさんが顔を出した。
ママと子ども達は外出中で、パパさんしかいないとのこと。
何度も訪問するのはご迷惑かもと思い、パパさんにプレゼントを預けて、「おめでとうございます」と伝え、その場を去った。
驚くほど失礼なメール
翌日の昼頃。
思いがけない人からメールが来た。
三津屋さんからだった。
もしかして、プレゼントの件かな?
喜んでもらえたかなぁ?そう思ってメールを開く。
すると・・・。
峰岸さん
斗輝の誕生日プレゼントありがとうございました。
プレゼントの件ですが、こういう事はしないで頂きたいです。
もうすぐ桃亜の誕生日もありますが、こういうことはしないでもらった方が嬉しいです。
三津屋
・・・・ふぅ~ん。ナンダコレ。
まず感じたのは、すっごい失礼だな、ってこと。
よくこんなメール書けるよね?
私、お隣さんだよ??
こんなメールする人本当にいるの??盛ってない??って思います?
これ実話ですからね。
例えば、ご近所関係はぶち壊しにしたくないけど、プレゼントはいらない。
だったらもう少し丁寧な言い回しの、変な誤解をうけないメールにするとか。
または隣に住んでるんだから、言いにくいことは顔をみて言うとか。
角を立てないやり方はいくらでもあったと思う。
でも、わざわざこんなメールを送ってくる。
最初の「ありがとうございました」なんて、ただの飾りだよね。
ほんと、この人、大丈夫なの?
三津屋さんが言いたいことって結局、ご近所付き合いなんてする気もない、むしろぶち壊したい、そういう事だよね。
・・・・お!?
なーんだ。
良かった。
やったやった!!
もう三津屋さん達と、ご近所さんとして繋がりを保つ努力しなくていいね。
あちらから切ってきたわけだから。
いやぁ~、気が楽になった。
メールにはイラっとしたけど(笑)
旧ママ友たちの思い違い
とんでもないメールだったけど、返信しないわけにもいかないので、書く。
三津屋さん
お忙しい中、わざわざメールしてくださってありがとうございました。
ひらりの誕生日にプレゼントを頂戴していたので、そのお礼と思いお渡ししたプレゼントでした。
三津屋さんのお気持ちを真摯に受け止め、今後はこういったことは一切辞めさせていただきますね。
どうぞ宜しくお願いします。
峰岸
これでいいかな、送信!
もちろん返信はない。
三津屋さん、よくあんなメールできたなぁ、なんでなの?って考えてみる。
まずもって長い目でみてない、これは確実。
いじめやってるのもそう。
これから何年も同じ住宅街に住んでいくって考えたら、さすがにこんな関係の切り方できない。
円満なご近所付き合いなんて全く考えてないよね。
そこをヒントに考えていくと・・・。
もしかして、と思う事があった。
もしかしてだけど、三津屋さんも堀内さんも、私が復縁したくて必死に媚を売ってるとか、そんな風に思ってた??
お土産を渡したとき、お菓子のおすそ分けを渡したときの様子を思い返す。
冷たいなと感じたのは・・・上から目線で「仕方ないから受け取ってやるよ」だったからか。
そういえばどこか、私を見下しているというか、横柄で尊大な態度だったな。
てことは、この三津屋さんのメールは。
「私と仲直りしたいみたいだけど、お断りだから!」
「あんたの気持ちなんかお見通し、傷つけてやる!」
そういうことか。
おもしろ~い(笑)
もしそうなら、おつむの「オメデタ」感が最高だね!
いじめやるような人と復縁したいわけないじゃない(笑)
私にしてみたら、最低限のご近所付き合いとして、礼儀をわきまえた大人として、の行動だったのに。
ボスはどっちだ
それにしても。
一体、大人になってまでいじめをやろうと画策したのはどっちなんだろう?
はじめに態度が豹変して、攻撃的になったのは堀内さん。
でも動機が思い当たらない。
堀内さんにつられるようにして冷たくなったのは、三津屋さん。
三津屋さんには動機がある。たぶん。
桃亜ちゃんの暴力を告げた時。
あの時、三津屋さんは今まで見たことないような顔をした。
それが気に食わなかったっていうなら、動機になる。
でも、そんな理由で、無視・悪口・仲間外れを画策する?
そんなことで?
そんなに幼稚?
それに最後は「教えてくれてありがとう」って三津屋さんは言った。
いやでも・・・。
大人になってまで「いじめ」をやるんだもん、当然幼稚な人達なんだろうな。
どこまでもこじれる関係に、私は正直うんざりしていた。