ママ友いじめから知った人生で大切なこと
私の体験が少しの希望になることを願って
小学1年

50.親の影響は大。被害に遭わないよう打算的なママ友と決別

 

それにしても。

細貝さんも、美鈴ちゃんも、どうして麻未ちゃんのことは責めないんだろうと思う。

 

車の中でも細貝さんは、ひらりに怒りをむけていたそうだし。

美鈴ちゃんも「ひらりちゃんが」と、ひらりを常に名指ししている。

 

だけど状況としては麻未ちゃんも一緒にいるわけで。

なのに麻未ちゃんにはその矛先を向けない。

 

おかしいんだよね。

 

これってやっぱり。

ウチが標的にされてるんだろうし、その裏に三津屋さんがいるんだろうと思う。

三津屋さんは自分の手を汚さずにいじめをやるから。

だからこそ細貝さんをそそのかしたんだろうし。

 

細貝さんだけでなく美鈴ちゃんもおかしくなってる今。

私達が一刻もはやく対応しなければならないのは、美鈴ちゃんだった。

美鈴ちゃんとの接点を減らさなければ、また同じことが起こる可能性がある。

 

まだ小学1年生だもの。

親の影響を受けているんだと思う。

細貝さんと同じように、美鈴ちゃんも峰岸家には何をしても許されると思っているのだろう。

 

さらに峰岸家を責めれば責めるほど。

自分達は正しい事をしているんだと、勇者なんだと、間違えを正してるんだと。

そういう傲慢さが膨れ上がっているようだった。

 

そっと距離を置くには

車に乗せられてキレられた件については、証拠がないので公にすることもできなければ追及することもできなかった。

下手に動けば、それを逆手にとられて今よりもより状況が悪化するだろう。

49.事件寸前の恐怖!人の子を強引に乗せ車内で叱り脅す親子 ご近所の1年生と一緒に通学しなくなり、2学年上の史ちゃんと朝一緒に行くようになって2週間ほど経った頃。 その日は1年生だけ...

 

本当は怒鳴り込んでいって、脅したいぐらいだった。

うちの娘に何するんだって言ってやりたかった。

 

だけど。

 

「ひらりちゃんのお母さん、カッとなりやすいんだって。」

「ひらりちゃんのお母さん、車で送ってもらったのに文句言ってるんだって、怖いね。」

そうなったらひらりが悲しい思いをする。

 

こんな危険な目に遭って怖い思いをしたのに、それをきっかけにして更に立場が悪くなる。

それを招くわけにはいかない。

 

とにかく急いで対策をたてるべきは、美鈴ちゃんだ。

美鈴ちゃんと接触しないことを最優先に考えてみる。

 

朝は一緒じゃないから大丈夫。

クラスは別だからほぼ会わない。

帰り道、これが一番危険。

 

そこで帰り道で美鈴ちゃんに遭遇しないように考えた。

そのうえで細貝さんにはお断りの表明をしなければいけない。

 

「もしひらりを見かけても、車にのせて頂かなくて大丈夫ですので。」

これを言わなければ!

そうじゃなっかったら、危なくてしょうがない。

 

肝心なのは「理由」だ。

細貝さんに不快感を与えず、尚且つそういうことなら、と思える理由を作らなくては。

帰り道で遭遇しないように

まずは帰り道で美鈴ちゃんと細貝さんに遭遇しないようにすること。

細貝さんが車でお迎えに行っているのなら、私も車でお迎えにいけばいい。

私の目があると思えば、ある程度の抑止力にもなる。

 

そこで。

習い事を増やして、それを理由に学校までお迎えに行くことにした。

他学年と下校が一緒にならない、人目が少ない曜日を中心に。

 

急に毎日お迎えに行くわけにもいかない。

なので5・6年生も下校時間が一緒の曜日は、習い事を入れなかった。

人目が多ければ。

細貝さんだって、強引に車に乗せるような大胆なことはやりにくくなるはずだ。

 

いざ習い事を増やして車で学校までお迎えに行ったら。

麻未ちゃんも一緒に乗っていきたいと言うし、ひらりも麻未ちゃんと帰りたいと言う。

そこで麻未ちゃんのママさんに話を通して、麻未ちゃんも一緒に車で下校してくることになった。

 

習い事が増えたので、麻未ちゃんとなかなか遊べなくなっちゃったけど。

習い事に行く前のほんの短い時間や、習い事が急になくなった日など、2人は時間を見つけて楽しく遊んでいた。

やっぱり麻未ちゃんとひらりは気が合うんだと思う。

学校以外の人間関係

習い事を増やしたのは、もう一つの理由がある。

それは学区外で人のつながりを持つためだ。

 

この地域、この学区に人間関係が限定されてしまうと、私もひらりも心情的に追い詰められてしまう。

また、この地域の感覚から抜けなければいけないとも思った。

 

例えば、悪口を言う人を信じるとか、証拠が残らなければ何してもいいとか。

群れのなかの価値観こそが正義で、それ以外は受け入れられなかったり。

 

ローカルルールが正しいわけじゃないと実感するためにも、この学区外で人と関わるべきだと思った。

 

そしてもしもひらりが学校の友人関係で嫌な思いをしても、学区外の友人関係があれば。

学校に影響されない場所で、素のひらりと付き合ってくれる人がいれば。

それはひらりの助けになると思った。

 

自分を受け入れてくれる人間関係があること。

価値観が違う人の輪を持っていること。

それが私にもひらりにも必要だと思った。

 

習い事を増やすのは金銭的にも時間的にも負担にはなる。

だけどそれだけの価値があると、私は知っている。

 

学区外の習い事に行って、そこで学校とは別の人間関係を持ち救われた経験が、私にはある。

だからひらりにも同じように学校外の友人を持たせたい。

そしてこの判断が正しかったと、後に思うことになる。

 

子どもの関係にも亀裂

習い事が増えて時間的に厳しいので、車でお迎えに行きますね。

そのことを細貝さんにメールで連絡する。

 

細貝さん

先日は車で送って頂いてありがとうございました。

ひらりですが、習い事が増えて時間的に厳しいので、私が車で学校までお迎えに行くことになりました。

今後行き違いになったりすると困るので、もしひらりを見かけても送って頂かなくて大丈夫です。

お互い車でお迎えに行くことがありますが、私も細貝さんから特に依頼がない限りは、美鈴ちゃんを送らないようにしますね。

いつもありがとうございます。

峰岸

細貝さんからは「わかりました」的なお返事がきた。

これでひとまず帰り道で危険な目に遭う確率は減ったんじゃないだろうか。

悪人に仕立てる

ところが。

美鈴ちゃんと帰り道で遭遇しないようになったら、今度は別のところで問題がでてきた。

それは、美鈴ちゃんが学校のなかで絡んでくるようになったこと。

 

今まではクラスが違うのでほとんど交流がなかったのに、帰り道で遭遇しなくなってからは学校で美鈴ちゃんがひらりに接触しにくる。

 

例えばこう。

 

お昼休みに麻未ちゃんと鉄棒をしていると、美鈴ちゃんがやってきて入れてと言う。

じゃあ順番で3回ずつやったら交代だよと言ったら、美鈴ちゃんが今すぐ替われと言う。

麻未ちゃんの番だったので、麻未ちゃんがやったら交代ねと言ったら。

また。

「ひらりちゃんが意地悪をした、仲間外れにしようとしている!」と言ってどこかへ行ったらしい。

 

正直「またか。」なんだけど。

最近これ系のできごとが何回か学校であったらしい。

 

どうやら美鈴ちゃんはそうやって絡んできては難癖をつけ、意地悪されている&仲間外れにしている!と、ひらりを悪者に仕立て、先生に報告していた。

 

更に悪い事に、子どもの話を鵜呑みにする細貝さんが。

連絡帳に逐一それを書き、美鈴を助けてくださいと先生に懇願しているようだった。

 

細貝家とは距離をおいて関わらないようにする。

そのために学校にお迎えに行くことにしたのに。

今度は学校内で「仲間外れにしている!」をやりはじめた。

本当にしつこいし、何がしたいのかわからない。

 

そういうことをやる目的はなに?

美鈴ちゃんがそんなことしてたら、お友達いなくなっちゃうよ?

ひらりにやってることをみてる子もいるんだよ?

 

それともこれって、ウチに対する純粋な嫌がらせ?

そんなこと1年生がするのかな??

先生に宣言する

結局ひらりは、美鈴ちゃんの担任に呼び出された。

美鈴ちゃんの話の事実確認をするために。

 

ひらりは途中で先生に質問されながらも、ちゃんと説明できたと言っていた。

 

またその話のながれで、美鈴ちゃんママの車に乗せられてキレられた話もしたそうだ。

先生は驚いて、それについても色々質問をしたらしい。

 

で結局。

最後にひらりはこう言った。

「先生。美鈴ちゃんはもう友達じゃないと思います。だから無理やり仲良くさせようとしないでください。」

 

わぁ。

ひらりカッコイイ!

そうか、そうはっきり言ったんだね。

 

あ。でも、先生の反応はどうだった?

 

「そういうことなら仕方がないね」って言ってくれたそうだ。

 

車に乗せられた件で、先生から私のところへ確認がくるかと思ったけど何もなかった。

子ども同士のもめ事として、内々に処理するのだろう。

子どもの口からではあるけど、あの事件一歩手前のできごとが先生の耳に入って良かった。

 

だけど実際は子ども同士のもめ事というよりは、「ママ友いじめの一環」が正しい表現だと私は思う。

かといってママ友いじめを学校に相談するわけにもいかないし、それを認めさせるだけの証拠もない。

自分の手を汚さない三津屋さんだからこそ、三津屋さんに繋がる証拠は残してないだろう。

そして今回の件でお咎めを受けるとしたら細貝さんだけだろう。

 

結果。

学校内で美鈴ちゃんが絡んでくることはなくなった。

これを境に私と細貝さんの関係はきれいに切れた。

 

だけどこれで終わるわけはなかった。

なぜなら三津屋さんの目的はまだ達せられていないから。

そうとは知らない私達親子は、細貝さんと関わらないようになって束の間の平穏を味わっていた。

 

その人柄に今更気が付く

細貝さんとの関係が切れて、私の心の平穏も戻った。

これまでのゴタゴタは本当にきつかった。

 

三津屋さんと知り合って1カ月で細貝さんは豹変して。

私に対して、いや私だけではなくひらりに対しても、批判的で攻撃的になった。

 

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そしてこの細貝さんが巻き起こしたゴタゴタは、ほんの数カ月間のできごと。

よくここまでやれたものだと思う。

 

だけど。

今更ながら気が付いた。

細貝さんはこういう人だったことに。

 

幼稚園で役員をやっていた私が孤立した時。

あの一件で全てを初めから全部知ってたのは「細貝さん」だった。

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あの時、細貝さんは全部知っていた。

知っていて山辺さんのそばにずっといた。

 

私は「細貝さんも微妙な立場なんだろう」と思って、悪く受け止めないようにしてたけど。

よく考えたら、細貝さんは全部知ってて知らんぷりしてただけの事。

 

私がどんどん孤立していっても、親睦会に呼ばれなくても、細貝さんは我関せずで私に話しかけてくることすらなかった。

それどころか山辺さんと一緒にいて、楽しそうにしていた。

そうだ。

細貝さんはそういう人だったんだ。

自分を失った生き方

今更ながらに思うのは、細貝さんの価値観についてだ。

友人として付き合うなら、心穏やかに付き合えて信頼できる人がいいと私は思うけど、細貝さんは求めるものが違うんだと思った。

 

恐らく細貝さんが友人に求めるのは「安心」できるということ。

その「安心」をもっとかみ砕いて言えば。

「一緒にいれば損をしない人」「一緒にいれば有利になる人」と仲良くなりたいんだと思う。

 

長いものに巻かれるのが好きな人、と言えばわかりやすいかな。

 

自分は常に安全圏にいて、身を守っていたい。

何があっても自分は標的にならないように。

そのためなら誰かを犠牲にすることなど何とも思わない。

 

細貝さんは、それくらい我が身の「安心」を求めているんだろう。

 

だからこそ幼稚園の時は全てを知りつつ私から距離を置いたし、今回は私達親子を徹底的に叩こうとした。

 

細貝さんとの縁が切れて、じっくりこれまでの事を思い返してみると。

そんな細貝さんの思いが透けて見えるようだった。

 

細貝さんの価値観だから、それを否定することはできないけど。

「安心」できる側にすり寄りたいし、「安心」できる側にいつも立っていたい。

そのためには人を傷つけることすら厭わない。

 

自分は標的にならないという「安心」を得たい。

自分は標的にならないという「得」を得たい。

 

だけど人間関係ってそんな損得勘定で成り立つものだろうか。

 

細貝さんの価値観に照らし合わせれば、信用も信頼も意味がないだろう。

3年お付き合いしてきた私に平気で悪意を向けられるのも頷ける。

 

大切なのはただ自分が損をしないかどうか、それだけ。

それだけで人を判断している。

 

だけど。

 

損も得もその時の状況によって変化するものだ。

こうであれば必ず得なんてものは、この世にない。

 

であるならば。

 

自分の保身ばかりを考えて損得計算している人のその行く先は。

打算に振り回されて、誰かの思惑に流されて。

自分自身を失っている姿しか思い浮かばない。

短絡的な思考

にしてもだ。

そうまでして、どうしてそんなに「安心」が欲しいのかと言えば。

 

それは自分自身に向き合えないからだと思う。

 

自分に自信がないから。

自分で判断するのが怖いから。

自分で考えることをしてこなかったから。

 

そんな自分自身に目を向けるのが、たまらなく怖いんだと思う。

 

だからいつまでたっても人任せ。

大きな派閥に所属しようと必死になる。

そうすることで「安心」を得ようとする。

 

誰かの考えに寄り添う事、誰かの意見に従うことしか考えてない。

そうしていれば自分は間違ってないと思えるから。

だからこそ誰につくのが得かと、打算的に生きてしまうんだとも言える。

 

私になら何をしても許されるとばかりに、バカにして否定して暴言を浴びせた細貝さん。

子ども同士に首を突っ込んで、ひらりを目の敵にした細貝さん。

なぜ細貝さんがそこまでできたかと言えば、そういった行為を認めてくれる人がいたからだろう。

 

「美鈴ちゃんママからひらりちゃんに直接言った方がいいんじゃない?それがあの子の将来のためかもよ?だって峰岸さんに言ってもダメだし。」とか

「桃亜が峰岸さんに狙われてて、本当に苦労してるんだぁ。美鈴ちゃんママが味方になってくれて嬉しい!あの人自分の子以外はどうでもいいって思ってるから気を付けてね。」とか

「え、峰岸さんにバシっと言ったの?美鈴ちゃんママすごいね。そうやってはっきり言ってやることも、ある意味峰岸さんのためだよね。」とか

 

私とのもめ事はこんな感じで正当化されたんだろう。

だからこそ細貝さんはあそこまでノーブレーキで暴走したんだと思う。

 

でもそれは、裏を返せばいいように利用されていただけで。

細貝さんはそのことに気が付くだろうか?

お手軽な安心と引き換えに何を失ったか気が付くだろうか?

 

そんな人たちを「ママ友」と慕っている細貝さんが、哀れにも思える。

 

そこにあるのは、目先の得に飛びつく短絡的な思考。

そんな生き様を子どもに見せていることが、お腹を痛めて産んだ大事な子どものためにならないと、なぜ気が付かないのだろう。

 

ただ。

私にはもう細貝さんにしてあげられることは何もない。

細貝さんは私から離れていった。

 

私は私の道を行く。

心健やかに、良心に恥じない道を行く。