ママ友いじめから知った人生で大切なこと
私の体験が少しの希望になることを願って
小学4年生

84.親子で不登校を満喫。常識から抜け出して心を再生させる時

 

お正月が終わって、冬休みも終わった。

予約していた通りに。

まずは大病院へ診察に行った。

 

ひらりは順調に回復していて、体重も戻ってきて。

あと1キロくらい増えるといいねと言われた。

 

冬休みが終わったところだけど、学校はどうしましょうと尋ねると。

「ひらりさんはどうしたいですか?」と聞かれた。

 

ひらりは。

あんまり行きたくないけど、試しに様子をみに行くのはありかもしれないと言った。

 

そこで、学校へ連絡を入れて。

お試しで数日間、様子をみながら登校してみることになった。

 

1日目は普通に学校に行った。

クラスメイトからもらったメッセージにあったような、「ひらりちゃん元気になってね」「待ってるよ」というのはやっぱり表向きだけで。

先生の見てない所では変わらず無視されたそうだ。

 

やっぱり。

行ってみて、実際体感してみないとわからない事ってあるよね。

 

ひらりが教室に戻ってきたのを喜んだ、ふりをして。

裏では相変わらず無視だの悪口だの仲間外れだの。

これがどう取り繕たって現実なのだ。

 

2日目も普通に通った。

やっぱり相変わらずのいじめ具合で。

今日も女子達の顔が気持ち悪かったと言っていた。

 

3日目。

普通に行けたものの。

ちょっとお腹が痛くなり始めた。

 

やっぱり、ダメなんだね。

教室が合わないんだね。

 

様子見のお試しで行った学校だけど。

またしばらくお休みすることにした。

 

今、一番大事なのひらりの気持ちを尊重すること。

無理して学校に行く必要はないのだから。

 

不登校を思いっきり楽しむ

またしばらく学校をお休みすることを決めたので。

ランチ巡りもいいけど、新しい事を取り入れたい。

 

今だからできること。

不登校だからできること。

 

そこで。

普段は混んでるから行かないような所に行ってみようとなった。

 

ひらりと、平日の昼間に映画館へ行った。

空いててガラガラだし、ポップコーンなんかもすぐ買えた。

観たかった映画を2人で楽しんだ。

 

ついでに女子に人気な文房具のお店もみた。

こういう可愛いグッズはみてるだけでテンションがあがる。

そこでペンやメモ帳を買ったりして、ひらりも大喜びしていた。

 

あらっ?

・・・不登校、楽しいぞ。

私達親子は、普段できない贅沢な時間の使い方をたくさんした。

なかなかできない事を

他にも。

学校と習い事があったら、なかなかできない事をした。

 

美術館へ行ってみたり。

○○展みたいなイベントに行ってみたり。

時には百貨店の上層階で開催している物産展でグルメを満喫したり。

謎解きとか、迷路とか、子供向け施設にも出向いた。

 

平日の昼間なら、一切待たずにそれらが楽しめたし。

ゆっくりじっくり見て回る事ができた。

 

この世界には、自分たちが知らないものがたくさんあって。

美味しいものもたくさんあって、楽しいものもたくさんあるんだ。

 

世界は広くて。

まだまだ未知で可能性があって。

楽しくて面白いものなんだって思えて、視野がぐいっと広がった。

 

そして世界は優しかった。

不登校で昼間からふらふらしている親子だけど。

どんな施設もどんなイベントも笑顔で楽しめた。

 

普通に接してくれる店員さんや係の人。

それが普通なんだろうけど、その普通が暖かく思えた。

 

私達を楽しませてくれた施設やイベント。

そういう環境が用意されていることにも感謝できた。

 

ここに生きていて、みんなで一緒に生きていて。

普通がとてもありがたくて。

私達はこの世界にちゃんと属していて、共に過ごさせてもらっている。

すごくそんな気持ちになった。

 

ママの好きに付き合わせるのもアリ

これまでは、ひらりの喜びそうなこと&好きそうなことをメインで過ごしてきたけど。

それだけだと新鮮味がなくなって、マンネリ化してくる。

 

そこで。

互いを知る機会という感じで。

ひらりと一緒に。

ママが普段やっていることや、好きなこと、ママの興味があることにトライしてみようとなった。

 

まずは「家事」から。

これは将来のためにも絶対に経験しておいた方が良い。

掃除も洗濯も料理も、ぜんぶひらりと一緒にやってみた。

 

確かにはじめは、あんまりお手伝いにならなかったけど。

ひらりもコツを掴めばなかなかの戦力になった。

2人で家事を済ませれば、また自由な時間が増える。

ドラマを一気に観る贅沢

そこで今度は。

私がずーっとみたかった韓流ドラマを一気観することにした。

 

ご飯も作り置きしたから、あとは出すだけだし。

家事も終わらせたから気持ちよくドラマがみれるっ!

 

韓流ドラマなんて、ひらりはどう思うんだろうって心配したけど。

案外がっつり食いついて、一緒にハマった。

 

そうよね、やっぱり女子ですもの。

トキメキは大事よね!

 

はじめは子ども向きに吹き替えで探してたけど、実は字幕でも全然いけた。

むしろ字幕の方が今後のためにもいいのかも。

素早く集中して読むことや、ぱっと見でニュアンスを理解するようなスキルが身に付いたみたい。

 

韓流ドラマは、日本のドラマよりも長編になっている。

だから頑張っても1日では見終わらない。

私とひらりは集中して、テレビの前からほぼ動かず。

数日かけてドラマの一気観をした。

 

どっぷりとドラマの世界に浸って。

その感想と感動を娘と共有して。

贅沢な経験だったし、贅沢な時間の使い方だった。

 

これまでは毎日駆け足で。

次々と予定と時間に追われて。

せわしない日々だった。

 

でも。

不登校になったおかげで少し立ち止まることができた。

そして。

こんな風に好きなことに思う存分ハマれる自由に、心から感謝することができた。

 

だらだらした生活も素敵

さて。

不登校生活にも色々なバリエーションがあります。

 

ドラマの一気観をしたせいか。

私達親子はとっても眠くって(笑)

 

そいうわけで次にきたブームは、寝坊だった。

 

だって夕方の習い事まで時間は空いてるし。

ちょっとくらい寝坊したって大丈夫なんだもん。

 

寝坊という単語には、世間的にあまり宜しくないイメージがあるけど。

それだって楽しんで取り組めば素敵な行いに思える。

 

思う存分。

自然に目が覚めるまで。

お腹が空いて目が覚めるまで。

親子で寝坊をした。

 

不思議なことに。

色々なしがらみから解放されたような気分になったし。

自分たちの心がものすごくゆる~くなったような気がした。

 

寝坊。

寝坊するって、なかなか良かった。

張りつめていた自分を緩める意味でも、なかなか良かった。

一日中パジャマで過ごす

寝坊して起きて。

適当にあるもので食事をして。

 

塾に行く日でなければそのままパジャマで過ごした。

 

クリスマスプレゼントとして購入した、「ボードゲーム」で遊ぶ日もあった。

受賞歴もあり海外では定番ってくらい有名なボードゲームの日本語版なんだけど、これがまた奥が深くて。

何度やっても面白い。

 

運要素と頭脳要素のバランスがちょうど良くて、娘とやっててもたまに負けたりする。

そうやって、勝ったり負けたりしながら頭をいっぱい使って。

お互いに作戦を考え、より自分にあった方法を模索するようになった。

 

他にも、ボードゲームでありながら対戦ものではなくて。

プレイヤー同士が協力して、ゲームそのものに勝負を挑む「協力型」ゲームもやった。

 

ひらりもルールを理解しだした時点で、ものすごいリーダーシップや提案を繰り出し始めて、とても頼もしかった。

 

季節は真冬で。

なかなか屋外で遊べないからこそ、こういったボードゲームで遊ぶのがちょうどよかった。

親子でコミュニケーションをとりながら、パジャマのまま遊ぶ。

それだって本当に贅沢な経験だった。

 

世の中の不登校の定番を、私達は知らない。

心の赴くままに好きな事をやって過ごした。

 

心が生き生きすることがいかに大事か。

心を自由にしてのびのびとさせることがいかに大事か。

 

人生は楽しいものなんだ。

生きるのは嬉しいことなんだ。

今ここで共に過ごせるのは幸せなことなんだ。

 

それを改めて感じることができた。

 

私達親子にとって不登校は。

「再生」だったんだと思う。

 

これまでの常識や普通から抜け出して。

本当に大切なもので人生を見つめなおす「再生」。

 

この世界は。

手で触れるもの、目に見えるもの、今ここにあるものだけで出来上がってるんじゃなかった。

 

目に見えないもの。

人間の心・気持ち・思い。

目に見えないけど、それらが自分たちの源になっていて。

 

そこにちゃんと目を向けることが必要だったんだなって。

それを学ぶための「不登校」だったんだなって、思った。