ママ友いじめから知った人生で大切なこと
私の体験が少しの希望になることを願って
小学4年生

85.学校へ通うのは子供の権利。行ける範囲で登校し今後を検討

 

前回の診察から2週間ほど経って。

また大病院へ診察に行った。

 

お腹ももう痛くなくなったし、どうして痛くなるのかの原因もはっきりわかったから。

だから全然不安もなく、健康そのもので病院へ向かうことができた。

 

担当医からも、もう大丈夫ですねと診断をされて。

あれだけヘロヘロで病院に通った数週間前が嘘のように感じられた。

もちろん次回の予約はなし。

病院は晴れて卒業となった。

 

あとは。

今後学校をどうするか。

それだけが課題として残った。

 

病院の先生ができるのは体調の部分まで。

この先は、学校の担任と相談がメインになる。

 

ひらりは心の健康を取り戻すと同時に、体の健康も取り戻した。

もうあんなふうに。

ベッドに寝てばかりの生活や点滴の日々に戻ることはない。

 

学校へ登校する・・・。

登校するとお腹にきちゃうし。

 

これからどうするのが一番良いんだろう。

このまま不登校を続ける?

それともまた学校へ行く?

行けるようになるのかなぁ?

 

教育を受ける権利

学校の担任の先生とは、週に1度のペースで電話で連絡を取り合っていた。

先生にはすでに「いじめ」の件を、私の口からも伝えてある。

 

女子を中心に調査もしてくれたみたいだし、無視・悪口・仲間外れについても指導してくださったようだった。

 

ただ。

やっぱりその指導を受け止める側が「上辺だけ」なので。

ひらりが冬休み明けに教室に行って確認してきたように。

まるで、なにも、変わってはいなかった。

 

病院でもう大丈夫と言われたことを担任に伝え、今後どうすれば良いかを相談したいと話した。

先生からの希望としては、やはり「また教室に来ませんか」というものだった。

 

そして先生の言うその理由に、私はある意味納得したし。

先生の考えるその理由がとても心に引っかかった。

機会を損失してるのも事実

「ひらりさんには学校に通う権利があります。同じ年頃の子と共に過ごし学ぶという権利があります。だからこの状態は、その機会を損なっているとも言えます。」

 

そう言われて、ハッとした。

 

ひらりが本来受け取るべき機会。

日本の子ども達が平等に受け取るべき機会を、ひらりは受け取れていない。

 

ひらりはその機会を得るべきだし。

先生もひらりが受け取れるように全力を尽くしたいと思ってくださっている。

 

本来受け取れているはずのものが、ひらりの元にない。

 

それを考えると。

やっぱり学校へ行かせてあげたいなと思う。

やっぱり学校へ行くべきなんだと思う。

 

だけど。

どうしたって、ストレスを感じてお腹にきてしまうのだ。

 

この時から。

私は考えるようになった。

ひらりがまた学校に行けるようになるには、どうしたらいいのか。

どうすればまた、学校に行けるのか。

 

再び学校へ通う意義

ひらりと過ごす不登校生活はとても充実していて楽しいものだった。

だけど。

だけどよく考えれば、やっぱりこのままという訳にはいかない。

 

まずは。

ひらりに学校へ行きたい気持ちはあるのか、聞いてみた。

 

強いストレスを感じることなく普通に過ごせるなら。

学校に行きたいとひらりは言った。

 

やっぱりそうだよね。

ひらりだって学校に行って、色々な経験をしたいよね。

世間の子ども達がしているような生活を、ひらりもしたいよね。

 

そこで2人で相談した。

ますは。

まずは今の学校に通えるものなのかどうか、試してみよう。

ダメならその時、その先をまた考えよう。

 

そうして。

ひらりがどんな感じなら学校にいけるとイメージできるのか。

色々な案を出しながら考えをまとめていった。

可能な範囲で無理せず行く

ひらりの意思を担任の先生に伝える。

先生が色々心を砕いてくださったのは存じているのですが、やっぱり女子は変わっていませんというのも付け加えて。

 

そして、ひらりがこれなら学校に行けそうという内容をお伝えする。

 

給食は食べずに。

3限まで学校に行って、帰宅する。

こういった通い方でも良いでしょうかと聞いてみる。

 

先生からは即OKがでた。

来られるだけで、いられる分だけで全然構いません、と。

 

そして。

教室に居にくければ保健室に行ったりして、安心できるように場所を変えても良いと提案をもらった。

 

先生からのサポートもある。

ひらりの状態も理解してもらえてる。

それなら、行ける範囲で学校に行ってみよう。

 

ひらりはそうやって少しづつ通いながら。

今の学校にまた復帰できるのだろうか。

まずはやってみなくちゃ分からない。

 

不登校生活をやめて。

私達親子は、どうやったらまた学校に通えるのかを模索しはじめた。

 

もう一度クラスメイトをみる機会

ひらりはまた学校へ行くことにした。

体調不良も経験して、不登校も経験して。

それでひらりは、もう学校へ行くのに緊張しなくなっていた。

 

むしろ緊張しないぶん。

あの女子達に会うのかと鬱陶しくは思っている様子だった。

顔をみるのが苦痛と思うより全然良い。

 

少しずつでも学校に通って。

多少慣れたらもう少し教室にいる時間を増やして。

そんなふうにして、また登校できるようになるのかな。

 

それとも。

やっぱりここにいてはダメだという結論になるのだろうか。

 

今の段階で、それは分からない。

だから教室へ行くのだ。

最後の見極めに。

どういう結論が出ても後悔しないように。

変らぬ人達

ひらりが教室で過ごしやすいように。

先生は席替えを実行した。

 

クラスの中でも、グループに所属していない女子2人がひらりの席の近くになった。

給食や班活動で一緒なので、ほかの女子と一緒になるより気が楽だと思う。

 

3限までで通うのを1週間やって。

それでお腹が痛くならなかったので。

今度は4限までいて給食を食べてみる事にした。

 

無所属女子2人プラス男子数人の班で給食を食べる。

男女仲の良い班だったようで、ひらりも会話に混じりながら給食を楽しめたようだった。

 

こうやって、1週間くらいは楽しく給食を食べられたし。

給食を食べて即帰宅するなら、なんとかなるという状態をキープしていた。

 

ところが。

やっぱりこのまま済むわけなかった。

 

仲良く給食を食べていた、無所属女子2人の様子がおかしくなったとひらりが言うのだ。

まずもって口をきいてくれなくなったし、返事をするのさえ億劫そうにするらしい。

 

なんで急にそんなことに?って思うよね。

 

答えは簡単。

いつものやつだ。

 

無所属女子2人は、なんと週末に五之治優香ちゃんの家に招待されていた。

そこで桃亜ちゃんと三美香ちゃんも一緒になって、5人で遊んだらしい。

 

ひらりのそばで、その5人が集まって。

「昨日は楽しかったねー!」って話をしていたそうだ。

 

その五之治家の集まりで、どんなことがあったのかは知らない。

だけど態度を見ればわかる。

 

また。

またやったのだ。

不登校から復帰してきたひらりを相手に。

 

また友人を取り上げるよう動いたのだ。

普通に遊んでいただけなら、ひらりに対する態度がこんなふうに変わるわけがない。

 

何かを吹き込んだか。

何かを暗に匂わせたのかもしれない。

 

それからというもの。

無所属だった女子2人はひらりにそっけなくなり。

 

先生がいないところでは、桃亜ちゃんのグループにいることが多くなった。

 

正直言って。

大して何も思わなかった。

 

ただ。

「ああ、そうなんだな。やっぱりそういう事がやめられないんだな。」って。

ただそういう事実を確認しただけだった。

 

そして。

私もひらりもはっきり悟った。

 

先生のサポートがあっても。

先生のご指導があっても。

 

結局なにも変わらない。

 

私達が心を新たにして再スタートを切ろうとしても。

私達が本来受け取るべき権利を受け取ろうとしても。

 

結局なにも変わらない。

 

しばらく学校に通ってみたことで、本当によくわかった。

ここは私達がいるべき場所ではない。

 

確かに。

先生方は理解してくれてるし、サポートしようとしてくれてる。

そのなかで頑張るという選択肢もある。

 

だけどもう。

ひらりが言うのだ。

「転校したほうが良いね。」って。

 

数週間だったけど、学校に通ってみて良かった。

私達にはなんの心残りもない。

私達はもうこの学校にいたいと思っていない。

 

そう。

私達親子は、転校することに決めたのだった。